
●アルミニウムの歴史的背景
鉄、銅は紀元前5000年頃に、日常の道具や装飾品に用いられ、歴史にも登場しています。
それに対しアルミニウムは、工業用材料として、年代は100年未満に過ぎません。
アルミニウムは、歴史的に浅い金属となります。アルミニウムはその優れた特性から,身近な家庭用品、建築材料、車両関連、産業機械材料と用途は多様であり、生産量的にも、鉄につぐ第2の金属材料に成長しています。
日本国は地金の消費料で、世界第4位の地位を占めています。
世界大戦後、製造が再開されて以降、日本経済の成長とともに急速な発展を遂げました。
1960年代には日用品、家電製品の普及が需要拡大の原動力となり、1970年代にはアルミサッシに代表される建材、自動車などの需要が増加してきました。
●日本国のアルミニウム製錬は、海外に求めています。
アルミニウム地金1トンの生産に要する約16,000kWの電力の大部分を、火力発電に頼っていました。
1973年のオイルショック時、アルミニウム産業は成長の鈍化を余儀なくされました。
安定したアルミニウムの供給を得るため海外投資、技術供与を行ったほか、技術開発、産業構造、産業立地について対策が行われました。
アルミニウムは、輸送機関のエネルギー消費効率の向上、ハイテク分野への拡大、耐久消費材の需要拡大、リサイクルによる省資源の促進などに、最も期待される金属材料となっております。
●アルミニウムの特色
- 密度:アルミニウムは密度が銅や鉄の約1/3であり自動車、鉄道車両、船舶、航空機などの交通機関、 建築、土木などの分野で軽量化に役立っています。
- 耐食性:大気中で自然に耐食性のよい酸化皮膜が形成され、自己防護し、優れた耐食性を要しています。
- 加工性:展延性に富み、板、箔、棒、管、線、形材など種々の形状の製品を容易に製造することができます。 成形加工、切削加工なども容易である為、きわめて広い用途で使用されます。
- 表面処理:酸化皮膜を表面に形成させるアルマイト処理により光沢を保持したまま耐食性、耐摩耗性を飛躍的に改善させることが出来ます。また,染色,自然発色,電解発色などの方法により多種の色調が可能な為、家庭用品,建築物の内外装にも 多く使用されています。
- 強度:合金の種類,質別によって引張強さは70~600N/・1と変化させることができるので,用途に応じて適切なものを選ぶことができます。
- 低温特性:温度が低下するにつれて強度は上昇し,超低温範囲に至るまで普通鋼のような低温脆性を示しません。このため低温プラント装置にも広く使用されています。
- 電気伝導性:純銅の約60%の導電率を有し,銅の半分程度の重さのアルミニウムを使用して銅と同量の電流を通すことができ,送線,配電線として適しています。
- 熱伝導性:熱を伝えやすく,熱交換器,エンジン部品,家庭用品,冷暖房装置に使用されています。
- 反射性:アルミニウムの表面の光は,熱,電波をよく反射するので,暖房器の反射板,照明器具,パラボラアンテナに用いられます。
- 非磁性:電磁気の磁場にほとんど影響されず,磁気をおびることがありません。非磁性を必要とする各種電気機器に用いられます。
- 無毒性:毒性がなく,食品類との反応もないので,食品包装容器,家庭用器物に適しています。
- リサイクル性:スクラップの再生が他の金属に比べ非常に容易で,スクラップ価値が高い。このため資源の有効活用,廃棄物公害防止に役立っています。
●アルミの種類
アルミニウムは軟らかく、展伸性が高い。用途によっては、さらに強度を高めるなどの性質を改善する必要がある場合には、種々の元素を加えたアルミニウム合金として使用されます。
アルミニウム合金は板、箔、形材、管、棒、線、鍛造品などの展伸材、鋳物、ダイカストなどの鋳造材に大別されます。
展伸材と鋳造材はそれぞれ非熱処理型合金と熱処理型合金に大別されます。
非熱処理型合金は製造のまま圧延、押出し、引抜きなどの冷間加工に、熱処理型合金は焼入、焼もどしなどによって、それぞれの所定の強度を得ることが出来ます。
熱処理型合金の場合でも、熱処理によって得られる強度を、さらに高い強度を得るために、冷間加工することがあり、非熱処理型合金の場合でも、焼なまし、安定化処理のような熱処理が施されることがあります。
これらの合金は、主要添加元素の種類によって分類することができます。
個々の合金の特性は、各合金系のなかで、似性を示すので、分類を理解することは、使用材料を選択するうえで非常に便利です。
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